文系大学院の【 研究室訪問 】攻略ガイド!博士編徹底解説 2023年最新版

文系大学院の【 研究室訪問 】攻略ガイド!博士編 9つのポイントで徹底解説 2023年最新版研究室訪問
研究室訪問 の様子

博士課程への進学を希望しているあなた!今日は【 研究室訪問 】に関する内容です。

博士課程は研究者の卵になるべく学問の最高峰「博士号」を手にするための最後の課程になります。

修士課程の進学時と同様に博士課程進学を希望する場合も,多くは 研究室訪問 が必要になります。

特に,博士課程の入試で重視されるのは博士課程在学中の研究計画です。

そして,それを指導するのは指導教員ですね。

したがって,入学試験を受ける以前に,指導教員の受け入れ許可をもらうことが必要になります。

もし仮に研究室訪問でNGが出た場合,その大学院には進学できないということになります。

研究室訪問時から入試は始まっているということです。

下記では,これから研究室訪問をすることを考えているの人に向けたポイントを解説したいと思います!

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指導教員は何を見ているか

この記事を見ている方は,修士課程在学中か,社会人の方が多いと思います。ですので,「研究室訪問がなぜ重要か?」などということは詳述しません。

ここでは,指導教員目線から,学生のどのような部分をチェックして,受け入れ有無を判断しているかを確認します。

大きく分けると3つ

学生の人柄

自分(指導教員自身)が学生が希望する研究を指導できるか

研究テーマが適切か

以下それぞれについて確認をしていきます。

学生の人柄 という観点

「学生の人柄」が指導教員が見ているポイントの1つ目になります。

これは,何か具体的な基準があるわけではありません。

ただ,基本的なところとして,人柄を見ています

最低でも3年間,研究室のメンバーとして過ごすわけですし,博士論文の執筆やそれに伴う研究は指導教員と共同で行うことになります

また,修士課程の時とは違いより濃密な師匠と弟子の関係になります。

指導教員も人間です。学生があまりにも失礼であるなど,マイナスな面が際立つと,印象が悪くなってしまいます。

一般論的に,この人は大丈夫そうだ,と思わせる振る舞いを心がけましょう

一方で,猫を被りすぎる必要はありません。自然体で。

ここで,重要な点ですが,逆も然りということです。

というのは,もちろん,指導教員はその学生のことを様々な観点から判断するでしょう。

と同時に,あなたも指導教員を判断する必要があります

その指導教員の言動や研究スタイルは自分と合うでしょうか。

どんなに素晴らしい研究をしていて,偉大な功績がある研究者でも,実際に会ってみないと見えない点があるはずです。

繰り返しになりますが,指導教員も人です。そしてあなたも人です。研究をする以前に人間関係が重要です。

研究室訪問では,指導教員にあなたを見せる,と同時にあなたも指導教員を見る必要があります。

余談ですが…

私の知り合いで,指導教員の素晴らしい功績や研究歴に惚れて研究室に入った人がいます。

入学すると,その経歴とは裏腹に暴言や研究指導をしない,のようなアカハラが繰り返される研究室だったのです。

その人は,精神的に耐えきれず結局退学しました。

今後研究者になるであろう優秀な人材をこのような形で潰してしまうことは非常に残念ですし,そのような観点では,どんなに素晴らしい功績を持った教員でもその罪は大きいと思います。

大学教員は学校という小さな世界から出たことがない人が多いので,それなりに偏った人もいます。

こちらも注意深く指導教員を見極める必要がありますね。

自分がこの学生を指導できるか

前項では少し話が逸れたところがありましたが,指導教員が見ているポイントの2つ目は,「自分がこの学生を指導できるか」です。

上記で述べたように,博士論文の執筆やそれに伴う研究は指導教員と共同で行うことになります

学生の人柄に加えて,指導教員は,「自分がこの学生の研究したいことを教えられるか」,「サポートできるか」を確認しています

もちろん,指導教員の専門外のことは指導できません。

修士課程などの場合は,多少専門外の研究内容でも受け入れてくださる研究室はありますが,博士課程での研究は訳が違います。

より高度な事象を扱い論文執筆,投稿,発表等を複数回する訳ですから,指導教員もその辺をよく考えています。

これは,指導教員自身の指導力や研究遂行能力に関わることです。

研究内容を判断するための具体的な内容は下記の研究テーマが適切かに関連しますので,そちらをご覧ください。

研究テーマが適切か

「自分がこの学生を指導できるか」に最も関連するのが,「研究テーマが適切か」です。

例えば,指導教員や研究室の研究分野が「行動療法」であるのに,志望学生の研究テーマが「睡眠障害の脳研究」であれば,上記の項目も含めて,指導教員は「指導できない」と判断するでしょう。

指導教員の専門分野と学生のやりたい研究分野が異なる場合,必然的に指導できないということになりますね。

また,テーマや研究タイトルだけ聞くと適切そうだが,よく話を聞くと異なる,などもあるかと思います。

このような齟齬を受験前の段階で無くすことが研究室訪問 の目的であるといえばそれまでですが,

大学院を目指す学生は「研究テーマ」が研究室とあっているかという点を踏まえた大学院選びをぜひしてください。

ただ, 研究室訪問 の際,学生は,これを気にして話す必要はありません。あくまでもこれは 研究室訪問 先の先生が確認している観点ですので,学生は気にせずあなたの研究したいことについて情熱的に話をしてください。

研究室訪問 の時期

研究室訪問 の時期ですが,結論から言うといつでもいいです。

ですが,博士課程の受験日程があるので,これを逆算するとある程度妥当な時期が見えてくるかと思います。

博士課程の受験は多くが,大学4年の9.10月(第1期),大学4年の1.2月(第2期)でしょうか。

例えば第1期入試の半年前(3.4月ごろ?)でもいいですし,直前(1.2ヶ月前?)でもいいと思います。

時期については,半年以上前直前でメリット・デメリットがあるので,紹介します。

また,博士課程では,手土産が重要になります。

「手土産」とは何も,お菓子や賄賂ではありません。

自分の研究力の根拠になるような資料などです。

例えば,学会発表や投稿論文,修士課程のうちに取得可能な,学振DC1の合格などがそれにあたります。

この持ち物については後述しますが,もしこのような資料や業績を持参できそうであれば,それらを入手してから研究室訪問に行くことがおすすめです。

必然的に研究室訪問の時期も絞られてきますね。

半年以上前の場合

メリット

・早く研究室訪問をすることで,指導教員やゼミの雰囲気が分かり,志望指導教員を選ぶ時間が長く持てる

・研究室のゼミに定期的に参加させてもらえる場合がある(これは大きい)

・上記の場合,研究室に所属する先輩とコンタクトが取れる(受験情報あり)

デメリット

・研究室訪問までに博士課程での研究テーマや計画を概ね決めないといけなく,十分な時間がない

・上記に関連して,修論がある程度進んでいないと,考えるのが難しいかも

・手土産(学会発表資料・投稿論文・学振DC1などの根拠資料)の準備に時間がない

直前の場合

メリット

・博士課程での研究テーマや研究計画が概ね完成している

・修論も終盤に差し掛かり,修論・博論に関する話ができる

・手土産(学会発表資料・投稿論文・学振DC1などの根拠資料)が準備できている

デメリット

・志望研究室・指導教員選びにかけられる時間が少ない

・研究室と関わる時間が少ない(ゼミへの参加や先輩とコンタクトを取る時間が少ない)

持ち物

・話した内容を記録できるもの(メモ帳やPCも可)

・録音機(ICレコーダーやスマホ)

・博論の研究計画書

・手土産(根拠資料)

持ち物は上記に記すものになります。

一般的な持ち物かと思いますので,詳述いませんが,最後の「博論の研究計画書」や前項で出てきた「手土産」は非常に重要になります。

この点について,詳述します。

手土産は持っていくのか

ネット上に手土産(菓子折りなど)を持って行った方がいい!と書いてある記事もありますが,私はいらないと考えています

第1に, 研究室訪問 をするのは学生ですし,研究室訪問の目的にそぐわないからです。

一方で,手土産を持っていくとしたら,それは,博士課程で実施を考えている研究計画書や研究遂行能力を証明できる根拠資料はないかと思います。

大事なことは,自分がこの研究室に所属して何をしたいのかを形にして,残してくる,ということです。

口頭での説明でも良いのですが,残して帰ることが重要です。

あなたが帰ってから先生はその資料に目を通すでしょうし,お菓子などの手土産を持っていくよりよっぽどいい効果があると思います。

また,基本的なところとして,忙しい中時間を作ってくれたことや場所を設けてくれたことの感謝は言葉で伝えるべきでしょう。

博士課程で実施を考えている研究計画書

手土産として持参する必要があるもの1つ目は博士課程で実施を考えている研究計画書です。

これは最重要です。これを伝えるために,研究室訪問に行くと言っても過言ではありません。ここまでで述べてきたように,指導教員は入学後の研究計画を主に確認しています。

また,研究室訪問に行く時期にもよりますが,一般的に「研究計画書」と呼ばれる,かっちりした計画書でなくてもいいと思います。

構想段階のもので構わないので,ざっくりと何がしたいのか,どのような内容の博士論文を書きたいのかを伝え,またそれを残してくる(紙の資料で持参する)方が効果的であると思います。

自分の研究遂行能力を証明できる根拠資料

手土産として持参する必要があるもの2つ目は自分の研究遂行能力を証明できる根拠資料です。

これは,非常に重要で,もしこれらがあれば,プラスポイントになります。

研究室訪問では,指導教員と「初めて」,「短時間」会うわけです。

指導教員は,この時間で,訪問してきた学生をジャッジすることになりますし,

あなたは,この短時間で自分の情報を余すことなく伝える必要があります

しかし,実際は,パーフェクトに伝える&伝わることは少ないです。

そこで,この資料が生きてきます。

指導教員が,あなたの研究力(研究遂行能力)を判断しやすい要素として,「これまでの業績」があります。

どんなに素晴らしい態度で,研究計画を用意して臨んでも,研究実績があるかないかで,指導教員のあなたに対する判断は変わります。

研究実績は具体的に,学会発表や投稿論文,資格,特許,学振DCなどはもちろんいいですし,

このような大きなものでなくても,研究室での活動や社会人の方であればこれまでの所属や業務などでも良いと思います。

大切なのは,口頭で,ではなく,紙で残してくるということであると思います。

過去の業績や経歴などと関連付けて研究計画や今後の展望などを話すといいと思います。

話す内容(重要)

話す内容を下記にまとめました。

修士課程に在学しているあなた,あるいは,社会人のあなたに話す内容まで説明する必要はないかもしれませんが,要点を簡単にまとめてみます。

必要のない方はどうぞ飛ばしてください。

研究室訪問 で話す内容について

研究室訪問 では,30分や1時間という限られた時間ですので,伝えたいこと,聞きたいことを計画しておく必要があります。

また,話した内容はメモを取っておくことがおすすめです。

研究室訪問 は緊張しますし,終わった後に話した内容を書き起こそうとしても,内容が濃すぎて思い起こすことが難しいなんてこともあります。

ですから,メモは重要です。また,できるのであれば録音も推奨します。録音データは部外秘ですが,あなた自身が聞くことは構わないと思います。

ぜひ,いろんな方法を活用して, 研究室訪問 をより意味のあるものにしましょう。

あなたのこと

修士論文について

博士課程の研究計画

受験情報 / 研究室のこと

おまけ(先輩と繋がれるか・ゼミに参加することはできるか)

あなたのこと

まずは,あなたのことを話します。

研究室訪問 先の先生は,第一にあなたの素性が知りたいです

所属大学,専攻,所属研究室やその専攻を選んだきっかけなどです。

最初は些細なことからで大丈夫です。先生は何十人と研究室訪問の対応をしていますし,あなたが緊張していることも知っていますから,

ここまでどうやってきたの?大学校内は迷わなかった?など,緊張をほぐすような質問をしてくれるかもしれません。

自然体でいきましょう。

修士論文について

上記の会話をずっとしているわけにはいきませんので,徐々に本題に入っていきます。

修士論文について,研究テーマやテーマを選んだきっかけ,進捗状況や結果に関するあなたの仮説などを伝えます

研究室訪問 先の先生はその分野の専門ですから,もちろんあなたよりはるかにその分野について詳しいです。

しかし,間違った方法や仮説を言ってしまうのではないかと気にすることはありません。むしろ教えてください」と言うスタンスで話をした方が緊張せず会話ができるかもしれません

博士課程での研究計画

上記に関連して,博士課程で研究したい内容を話ます。

研究室訪問 先の先の先生にとって,この内容は自分に直接的に関係のある話ですし,「そのテーマを自分が指導できるか」判断しています。

ここで,上記の『手土産は持っていくか』でお話ししたように,紙媒体で,研究計画書や簡単に研究の概要を書いたものを渡せれば良いです。

できれば,この研究計画は修論の内容と関連しているものが望ましいですね。この内容は大学院受験の面接でも話す内容になるので,事前によく考えておきましょう。

ここでも上記と同様に,正解を言う必要はありません。研究室訪問先の先生はその分野の専門家ですから,「どうしたらもっと良い研究計画になるか」など,教えてもらうスタンスでお話をしましょう。

受験情報 / 研究室のこと

試験について,受験勉強におすすめの資料,試験の傾向などを聞きます。

先生は入学試験を作っている(携わっている)本人ですので,失礼にならない程度に聞くことがおすすめです。

また,研究室や研究室に所属する学生の雰囲気を聞くこともいいでしょう。

特に,研究室によっては,内部進学者と外部進学者の間に溝があるパターンや,所属学生がほとんど留学生のパターン,年に1回ゼミ合宿があるなど仲が良いパターン,様々あります。

「雰囲気はどうですか」は聞くと入学後の想像ができて良いかもしれません。

おまけ(先輩と繋がれるか・ゼミに参加することはできるか)

おまけの項目ですが,非常に重要です。

・先輩と繋がれるか

・ゼミに参加することはできるか

という2項目です。

研究室所属の先輩を紹介してくだされば,学生目線での受験情報やテクニック,過去問を教えてもらえることもあることが多いです。

また,ゼミに参加させてもらえるかも聞くことがおすすめです。

オンラインの場合

昨今は研究室訪問をオンラインで対応する先生も多いです。

オンラインは,何かと楽ですもんね。

その場合,話す内容は変わりません。

また,大学に出向くことがないので,服装や持ち物などを気にする必要がありません。

一方で,学生は,実際に先生と対面で会えなかったり,大学や研究室の雰囲気が見れなかったりとデメリットもあるかもしれません。

対面かオンラインかもし選べるなら対面での研究室訪問をおすすめします。

オンラインのみと指定があれば,しょうがないですね…

研究室訪問 のまとめ

いかがだったでしょうか。今回は大学院の【 研究室訪問 】について 博士編 ポイントを確認しました。

も研究室訪問の際は緊張しましたが,緊張はつきものです。

あなたの真摯な姿を見て,好感をもつ人もいると思います。

みなさんの受験に少しでもお役に立てると嬉しいです。

健闘を祈ります。

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